○都城市議会基本条例
平成25年3月13日
条例第2号
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 議員の活動原則(第6条・第7条)
第3章 市民と議会の関係(第8条―第10条)
第4章 議会と行政の関係(第11条―第14条)
第5章 自由討議(第15条)
第6章 政策提言協議会及び議員立法審議会(第16条・第17条)
第7章 委員会の活動(第18条)
第8章 政務活動費(第19条)
第9章 議会及び議会事務局の体制整備(第20条―第23条)
第10章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第24条―第26条)
第11章 見直し手続(第27条)
第12章 雑則(第28条)
附則
地方議会は、住民から直接選挙によって選ばれた議員と首長による二元代表制の下、行政の事務執行に対する監視及び評価機能、住民の多様な意見を反映させた政策の立案及び提言機能を十分に発揮しながら、住民自治及び団体自治の原則に基づく、真の地方自治の実現を目指すものである。
都城市議会は、市民の意思を代弁する合議制の意思決定機関であり、市民の負託に応える責務を有するとともに、市政の発展及び市民福祉の向上を図る使命が課せられている。
ここに、都城市議会は、住民自治の主権者である市民への誓約として、議会の役割と活動の指針を明確にすべく、議会の最高規範として、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、都城市議会(以下「議会」という。)の基本理念、基本方針、議員の活動原則、市民と議会の関係、議会と行政の関係その他議会に関する基本的事項を定めることにより、二元代表制の下での議会及び議員の役割を明らかにするとともに、議会がその権能を最大限に発揮し、市民の負託に的確に応え、もって市政の発展及び市民福祉の向上に寄与することを目的とする。
(1) 市民 市内に居住する者及び市内において就業又は就学する者並びに市内で事業を営む者又は活動する団体等をいう。
(2) 市長等 市長、その他市の執行機関をいう。
(基本理念)
第3条 議会は、市政における最高の意思決定機関としての責任を自覚し、市民の代表として、その負託と信頼に応え、真の地方自治の実現を目指すものとする。
(1) 市民を代表する議決機関であることを常に自覚し、市長等の市政運営状況を監視及び評価すること。
(2) 議会運営において公平性、公正性及び透明性を重視すること。
(3) 市民の多様な意見を把握するとともに、議員相互の自由な討議を尊重し、政策立案、政策提言等を行うこと。
(4) 市民に開かれた議会を目指して、情報の開示を推進するとともに、市民による議会活動への参加を促進すること。
(5) 地方自治を取り巻く情勢に的確に対応し、議会の活性化を図るため、議会改革を積極的に推進すること。
(最高規範性)
第5条 この条例は、議会における最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を制定し、又は改廃するときは、この条例の趣旨を十分に尊重しなければならない。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例の研修を行わなければならない。
第2章 議員の活動原則
(議員の活動原則)
第6条 議員は、次の各号に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを認識し、議員相互の自由な討議を重んじること。
(2) 市政全般の課題について、市民の多様な意見等を的確に把握し、一部団体及び地域の代表にとらわれず、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。
(3) 調査、研究、研修等を通じて、自己の資質の向上に努めるとともに、誠実かつ公正に職務を遂行し、市民の代表としてふさわしい活動をすること。
(4) 議会活動について、市民に対する説明責任を果たすこと。
(会派)
第7条 議員は、議会活動を円滑にするために、会派を結成することができる。
2 会派は、市政に関する主義及び主張を同じくする議員で構成し、活動する。
3 会派は、政策立案及び政策提言等のために調査研究を行い、必要に応じて会派間の調整に努めるものとする。
第3章 市民と議会の関係
(市民参加及び市民との連携)
第8条 議会は、市民に対して議会の活動に関する情報を積極的に公表し、透明性を高めるとともに、説明責任を十分果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開とする。
3 議会は、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)における公聴会制度及び参考人制度を十分に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と位置付け、さらに、請願の審査を行うに当たり、特に必要があると認めるときは、請願者から趣旨の説明を聴く機会を設けることができる。
5 議会は、市民との意見交換の場を多様に設け、議会及び議員の政策立案能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。
(議会報告会)
第9条 議会は、市民への報告と市民との意見交換の場として、議会報告会を行うものとする。
(災害及び感染症等発生時の議会の役割)
第10条 議会は、都城市及び周辺地域において、大規模な風水害、火山の噴火、大地震等の大規模な災害が発生した場合又は新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症等の感染症が発生した場合若しくは口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病が発生した場合においては、市の災害対策又は感染症対策若しくは家畜伝染病対策を側面から支援し、市民の安全の確保と早期の復旧、復興に資するため、必要に応じて関係機関と連携を図るための組織を設置するものとする。
第4章 議会と行政の関係
(市長等との関係)
第11条 議会は、二元代表制の下、市長等と常に緊張ある関係を保持し、事務の執行の監視及び評価を行うものとする。
2 議会審議における議会と市長等との関係は、次に掲げるとおりとする。
(1) 議員は、一般質問を行う場合において、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。
(2) 議長から本会議に出席を要請された市長等は、議長の許可を得て、議員の一般質問に対して反問することができる。
(3) 議員は、一般質問及び緊急質問を行うことができないやむを得ない理由等がある場合は、議長の許可を得て市長等に対し、文書により質問を行い、文書による回答を求めることができる。
(市長による政策等の形成過程の説明)
第12条 議会は、市長から市民生活に重要な影響を与える政策、計画、施策、事業等(以下「政策等」という)を含む議案が提出されたときは、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 政策等を必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討
(4) 市民参加の実施の有無とその内容
(5) 総合計画との整合性
(6) 財源措置
(7) 将来にわたる予測効果及びコスト計算
(予算及び決算における政策説明)
第13条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明を市長に求めるものとする。
2 議会は、当初予算について、予算編成の方針及び内容等について市長等から説明を受けるため、当初予算説明会を開催するものとする。
(議決事件の追加)
第14条 議会は、議会が市政における重要な計画等の決定に参加する観点と市長の政策執行上の必要性を比較衡量の上、積極的に地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定による議決事件の追加に努めるものとする。
2 前項の規定に基づく議会の議決すべき事件については、地方自治法第96条第2項の規定に基づき議会の議決すべき事件を定める条例(平成21年条例第2号)に定めるところによる。
第5章 自由討議
(自由討議)
第15条 議会は、言論の府であることを重んじ、議員相互間の自由討議の機会を保障しなければならない。
2 議員は、本会議、委員会その他の会議において、議員相互間の自由討議を行うことができる。
第6章 政策提言協議会及び議員立法審議会
(政策提言協議会)
第16条 議会は、第4条第3号に規定する政策立案、政策提言等を目的とした討議を行う場として、議員で構成する政策提言協議会を設置することができる。
(議員立法審議会)
第17条 議会は、市政に関する課題、政策等について、必要があると認めるときは、当該課題の解決及び政策実現のための条例の制定又は改廃を目的とした討議を行う場として、議員で構成する議員立法審議会を設置することができる。
第7章 委員会の活動
(委員会の活動)
第18条 委員会は、その専門性と特性を活かして社会経済情勢等により新たに生じる行政課題に迅速かつ柔軟に対応するものとする。
2 委員会は、必要に応じて公聴会制度及び参考人制度を活用し、多様な意見を踏まえ審査の充実に努めるものとする。
3 委員会は、行政課題に柔軟に対処するため、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する場を設けるよう努めるものとする。
第8章 政務活動費
(政務活動費)
第19条 会派及び会派に所属しない議員は、調査研究及び政策提言等に資するため、政務活動費の交付を受け、証拠書類を公開すること等により、その使途の透明性を確保するものとする。
2 政務活動費については、都城市議会政務活動費の交付に関する条例(平成18年条例第298号)に定めるところによる。
第9章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実強化)
第20条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図らなければならない。
2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、学識経験を有する者及び市民との議員研修会を積極的に開催するよう努めるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第21条 議会は、議員の資質の向上を図り、議会運営を円滑かつ効率的に進めるため、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実強化、組織体制の整備を図るよう努めるものとする。
(議会図書室の充実)
第22条 議会は、議会図書室を適正に管理し、運営するとともに、その機能の強化に努めるものとする。
(広報広聴機能の充実)
第23条 議会は、市民に対し広報誌等を利用して、議会の活動について分かりやすく周知するとともに、広く市民の意見等を聴取できるよう、広聴活動にも努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえ、多様な媒体を活用して多くの市民が議会と市政に関心を持つよう、積極的な広報及び広聴活動に努めるものとする。
第10章 議員の政治倫理、身分及び待遇
(議員の政治倫理)
第24条 議員は、市民全体の代表として、高い倫理観を持ち、品位の保持に努めなければならない。
2 議員は、都城市特別職職員の倫理に関する条例(平成18年条例第8号)、及び都城市議会議員政治倫理規程(平成24年度都議会訓令第3号)を規範とし、遵守しなければならない。
(議員定数)
第25条 議員定数は、都城市議会議員定数条例(平成27年条例第1号)に定めるところによる。
2 議員が、議員定数を改正する議案を提出するに当たっては、市民の客観的な意見を参考にするものとする。
(議員報酬)
第26条 議員報酬は、都城市議会の議員報酬、費用弁償等に関する条例(平成20年条例第42号)に定めるところによる。
2 議員が、議員報酬を改正する議案を提出するに当たっては、市民の客観的な意見を参考にするものとする。
第11章 見直し手続
(見直し手続)
第27条 議会は、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案して、議会運営に係る不断の評価と改善を行い、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。
2 議会は、前項による検討の結果に基づいて、この条例の改正を含む適切な措置を講じるものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
第12章 雑則
(委任)
第28条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し、必要な事項は別に定める。
附則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成27年2月26日条例第2号抄)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成27年7月2日条例第31号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成27年12月1日条例第45号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成28年9月21日条例第37号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成29年10月6日条例第27号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日(以下「施行日」という。)から施行する。
(適用区分)
2 改正後の都城市議会基本条例第18条第1項の規定は、施行日以後初めてその期日を告示される一般選挙後の任期開始後に交付される政務活動費について適用し、任期開始前に交付される政務活動費については、なお従前の例による。
附則(令和2年4月30日条例第26号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和5年12月18日条例第46号)
この条例は、公布の日から施行する。