○都城市職員のハラスメントの防止等に関する規程
令和5年3月24日
訓令第9号
都城市セクシュアルハラスメントの防止に関する規程(平成17年度訓令第45号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この訓令は、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に公正かつ適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めることにより、快適に働くことができる勤務環境を実現することを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に掲げる一般職の職員をいう。
(2) 職場 職員が職務を遂行する場所をいい、出張先その他職員が通常執務する場所以外の場所で実質的に職務の延長線上にあるものを含むものとする。
(4) パワー・ハラスメント 職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的若しくは身体的苦痛を与えること又は職場環境を悪化させることをいう。
(5) セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。
(6) 妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント 妊娠・出産したこと又は育児休業等の利用等に対する言動により、妊娠・出産した女性職員又は育児休業等を申出・取得した職員の勤務環境が害されることをいう。
(7) その他のハラスメント 前3号に掲げるもののほか、職員の人格若しくは尊厳を著しく害し、職員に精神的若しくは身体的に苦痛を与え、又は職員の勤務環境を害する不適切な言動をいう。
(適用範囲)
第3条 この訓令は、原則として職員の間におけるハラスメントについて適用する。
(職員の責務)
第4条 職員は、ハラスメントをしてはならないとともに、ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項(別記第1)に定めるところに従い、注意して行動しなければならない。
2 職員は、ハラスメントを生じさせないために職員が認識すべき事項(別記第2)に留意するものとする。
(所属長の責務)
第5条 所属長は、良好な勤務環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等によりハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(研修等の実施)
第6条 市長は、ハラスメントの防止及び排除を図るため、職員(次条の相談員を含む。)に対し、必要な研修を実施する等その趣旨の徹底に努めなければならない。
(ハラスメント苦情相談窓口の設置)
第7条 ハラスメントに関する苦情及び相談(以下「苦情等」という。)に対応するため、総務部職員課にハラスメント苦情相談窓口(以下「相談窓口」という。)を設置し、苦情等に対応する職員(以下「相談員」という。)を配置する。
(苦情等の申出ができる者の範囲)
第8条 相談窓口に苦情等を申し出ることができる者は、ハラスメントを受けた職員本人(以下「被害者」という。)のほか、被害者の同僚又は上司等で当該ハラスメントの事実関係を認識している者(以下「関係者」という。)とする。
(ハラスメント苦情相談の申出等の手続)
第9条 被害者又は関係者は、苦情等を申し出ようとするときは、当該苦情等に係る案件が発生した日から原則として1年以内に、ハラスメント苦情等申出書(様式第1号)に必要事項を記載し、相談窓口に提出しなければならない。
3 前項に規定する事情聴取は、原則として、相談員2人以上で対応するとともに、苦情等を申し出た者と同性の相談員が同席するよう努めるものとする。
6 相談員は、ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、その発生のおそれがある場合又はハラスメントに該当するか否か明確でない事案についても、苦情等として受け付けるものとする。
7 相談員は、苦情等を受けた場合の処理マニュアル(別記第3)に定める事項に留意し聴取等を行うものとする。
8 相談員は、自らが関係する苦情等の申出には対応することができない。
(ハラスメント苦情等調査委員会)
第10条 ハラスメントに関する事実関係を調査するため、ハラスメント苦情等調査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、次に掲げる委員により組織する。
(1) 総務部長
(2) 総合政策部長
(3) 職員課長
(4) 総務部長が指名する職員
3 前項の規定にかかわらず、総務部長が特に必要と認める場合は、外部有識者に対し委員の委嘱をすることができる。
4 委員会に委員長を置き、総務部長をもって充てる。
5 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
6 委員長が欠け、又は委員長に事故あるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
7 委員会の会議(以下「会議」という。)は、前条第4項の規定による開催要求に基づき、委員長が招集し、委員長が会議の議長となる。
8 会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
9 会議の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
10 委員長は、委員が苦情等の当事者となっている場合は、当該委員の会議への出席を停止させることができる。
11 委員長は、会議の経過及び結果並びに前条第5項の規定により相談員から報告を受けた内容を市長に報告しなければならない。
12 委員会に関する庶務は、総務部職員課において処理する。
(秘密の保持)
第11条 相談員及び委員会の委員は、ハラスメントに関する苦情等の対応又は処理を行うに当たっては、当事者及び関係者の秘密の保持に努めるとともに、これらの者が不利益を被らないよう特段の注意を払わなければならない。相談員及び委員会の委員がその職を退いた後も、同様とする。
(人事管理上の措置)
第12条 市長は、委員会による調査等の結果、ハラスメントに該当する事実が確認された場合は、必要に応じ、当事者間の関係改善の援助、被害者の勤務条件上の不利益の回復等の措置を講ずるとともに、加害者及びその所属長に対し、懲戒処分を含む措置及び再発防止に向けた措置を講ずるものとする。
(他の任命権者との連携)
第13条 市長は、市長に属する職員が市の他の任命権者に属する職員からハラスメントを受けたとされる場合には、当該市の他の任命権者に属する職員に係る任命権者に対し、当該市の他の任命権者に属する職員に対する調査を行うよう要請するとともに、必要に応じて当該市の他の任命権者に属する職員に対する指導等の対応を行うよう求めるものとする。
2 市長は、市の他の任命権者に属する職員が市長に属する職員からハラスメントを受けたとされる場合であって、当該市の他の任命権者に属する職員に係る任命権者から市長に対し当該市長に属する職員についての調査又は対応を行うよう求められたときは、これに応じて必要と認める協力を行うものとする。
(公平委員会への苦情相談)
第14条 職員は、相談窓口に対して苦情相談を行うことができるほか、都城市職員の苦情相談に関する規則(平成18年都公平委規則第3号)の規定により公平委員会に対しても苦情相談を行うことができる。
(その他)
第15条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
附則
この訓令は、公表の日から施行する。
別記第1(第4条関係)
ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項
1 お互いの人格を尊重し合い、お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。
2 どんな言動を不快に感じるか否かには個人差があり、親しさの表現が言動の真の動機であったとしても、場合によっては本人の意図とは関係なく、ハラスメントになってしまうこともあるということを認識し、この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測や、相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。
3 ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないことを認識するとともに、自分の言動に対して、相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないように心掛けること。
4 職場においては、職員以外の者に対する言動もハラスメントの対象となること、また、職員間においては、職場外の言動についてもハラスメントの対象となることを認識し、十分注意すること。
5 自らの言動が、その態様によっては全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがあることを認識すること。
別記第2(第4条関係)
ハラスメントを生じさせないために職員が認識すべき事項
1 職場の構成員としての心構え
(1) 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために、職場におけるハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーとみたり、ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片付けないように努めること。
(2) 職場からハラスメントに関する問題の当事者を出さないようにするために、仮にハラスメントが見受けられる場合には、職場の同僚として行為者に注意し、被害を受けていることを見聞きした場合には、被害を受けている職員に声を掛けて相談に乗るように努めること。
(3) 職場において、ハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務環境づくりをする上で、上司、同僚に相談するなどの方法もとるよう努めること。
2 ハラスメントに起因する問題が生じた場合の心構え
(1) ハラスメントを受けた場合には、その被害を深刻にしないために、一人で我慢しているだけでは問題が解決しないことを認識し、またハラスメントをなくすことは自分だけの問題ではなく、良好な勤務環境の形成に重要であるとの考えに立ち、勇気を出して行動することをためらわないこと。
(2) ハラスメントによる被害を受けたと思う場合には、相手に対して明確な意思表示(拒否、抗議、苦情の申出)をし、また一人で悩まずに上司、身近な信頼できる人又は相談員に相談すること。
別記第3(第9条関係)
苦情等を受けた場合の処理マニュアル
1 事態を悪化させないようにするために、可能な限り迅速に対応するとともに、被害者が悩み、苦痛を感じていることが確認される場合には、たとえ、言動が軽度なものであっても、行為者に状況を伝えて注意するなど、適切な対応を図ること。
2 被害者から事実関係等を聴取するに当たっては、被害者が求めていること、また、被害者の心身の状態等を考慮し、苦情等の対応にどの程度の時間的余裕があるのかについて把握すること。
3 事実関係については、次の事項を確認すること。
(1) 被害者と加害者の関係。
(2) 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。
(3) 被害者は、加害者とされる者に対してどのような対応をとったか、また、加害者とされる者はどのような対応をとったか。
(4) 被害者は、その他どのような対応をとったか。なお、これらの事実を確認する場合、被害者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者がいるのか把握すること。
4 原則として、加害者とされる者からも事実関係等を聴取する必要があること。
ただし、ハラスメントが職場内で行われ比較的軽微なものであり、対応に時間的余裕がある場合などは、観察、指導による対応が適当な場合もあるので、その都度、適切な方法を選択して対応すること。なお、加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、2及び3を参考にするとともに、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与えること。
5 当事者間で事実関係に関する主張に食い違いがあり、事実確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要であり、聴取するに当たっては、2及び3を参考の上、適切に対応すること。
6 苦情等を受けるに当たっては、相談内容が他の者に漏れないように遮断された場所において実施すること。
7 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。
8 苦情等について、具体的な措置を講ずる場合は、所属長等と相談の上、これを行うこと。