○都城市消防局消防職員ハラスメントの防止等に関する要綱

平成30年2月1日

都消告示第4号

(目的)

第1条 この告示は、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に公正かつ適切に対応するための措置を講じることにより、全ての都城市消防局消防職員(再任用職員を含む。以下「職員」という。)が対等な関係で快適に働くことができる勤務環境を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この告示において、ハラスメントとは、他者に対する発言、行動等が本人の意図には関係なく、他者を不快にさせ、尊厳を傷つけ、又は不利益若しくは脅威を与える行為を指し、その種類は、次に掲げるとおりとする。

(1) パワー・ハラスメント 職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的若しくは身体的苦痛を与えること又は職場環境を悪化させることをいう。

(2) セクシュアル・ハラスメント 職員の意に反する性的な言動に対する職員の対応により、その職員が労働条件について不利益を受けたり、性的な言動により職場環境が害されることをいう。同性に対するものも含む。

(3) 妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント 妊娠・出産したこと又は育児休業等の利用等に対する言動により、妊娠・出産した女性職員又は育児休業等を申出・取得した職員の勤務環境が害されることをいう。

(4) その他のハラスメント 前3号に掲げるもののほか、職員の人格若しくは尊厳を著しく害し、職員に精神的若しくは身体的に苦痛を与え、又は職員の勤務環境を害する不適切な言動をいう。

(適用範囲)

第3条 この告示は、原則として職員同士の関係において生じた問題に適用する。

(職員の責務)

第4条 職員は、ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項(別記第1)に定めるところに従い、注意して行動しなければならない。

2 職員は、ハラスメントを生じさせないために職員が認識すべき事項(別記第2)に留意するものとする。

(所属長の責務)

第5条 所属長は、良好な勤務環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等によりハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、迅速かつ適切に対処しなければならない。

(ハラスメント苦情相談窓口の設置)

第6条 ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(消防に関連する不祥事を含む。以下「苦情等」という。)に対応するため、消防局総務課にハラスメント苦情相談窓口(以下「相談窓口」という。)を設置し、苦情等に対応する職員(以下「相談員」という。)を配置する。

(苦情等の申出ができる者の範囲)

第7条 相談窓口に苦情等を申し出ることができる者は、ハラスメントを受けた職員本人(以下「被害者」という。)のほか、被害者の同僚又は上司等で当該ハラスメントの事実関係を認識している者(以下「関係者」という。)とする。

(ハラスメント苦情相談の申出等の手続)

第8条 被害者又は関係者は、苦情等を申し出ようとするときは、当該苦情等に係る案件が発生した日から原則として1年以内に、ハラスメント苦情等申出書(様式第1号)に必要事項を記載し、相談窓口に提出しなければならない。

2 相談員は、前項の規定による苦情等の申出を受け付けたときは、当事者(当該ハラスメントを行ったとされる者(以下「加害者」という。)及び被害者をいう。以下同じ。)及び関係者から事情を聴取し事実関係を確認するとともに、当該苦情等の円滑かつ公正な解決が図れるよう必要に応じて指導、助言等を行うものとする。この場合において、相談員は、事情聴取により確認した事項及び指導、助言等を行った内容を、ハラスメント事情聴取等記録簿(様式第2号)に記録するものとする。

3 前項に規定する事情聴取は、原則として、相談員2名で対応する。

4 相談員は、第2項の規定による事実関係の確認等を行った後は、原則として、当該苦情等に対するその後の対応を次条に規定するハラスメント苦情等調査委員会に報告するとともに、速やかに当該委員会の開催を要求しなければならない。

5 前項の規定にかかわらず、苦情等が誤解等によって生じたと認められる場合、明らかに軽易な案件と認められる場合等で、苦情等に対応した相談員が当事者への指導、助言等により苦情等を解決することができたときは、相談員は、ハラスメント苦情等対応結果報告書(様式第3号)にその内容を記載し、次条に規定するハラスメント苦情等調査委員会の委員長に報告しなければならない。

6 相談員は、ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、その発生のおそれがある場合又はハラスメントに該当するか否か明確でない事案についても、苦情等として受け付けるものとする。

7 相談員は、苦情等を受けた場合の処理マニュアル(別記第3)に定める事項に留意し聴取等を行うものとする。

(ハラスメント苦情等調査委員会)

第9条 ハラスメントに関する事実関係を調査するため、ハラスメント苦情等調査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、次に掲げる委員により組織する。

(1) 消防局次長

(2) 消防局総務課長

(3) 消防局次長が指名する職員

3 前項の規定にかかわらず、消防局長が特に必要と認める場合は、市長部局の職員に対し委員への就任を依頼し、又は外部有識者に対し委員の委嘱をすることができる。

4 委員会に委員長を置き、消防局次長をもって充てる。

5 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

6 委員長が欠け、又は委員長に事故あるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

7 委員会の会議(以下「会議」という。)は、前条第4項の規定による開催要求に基づき、委員長が招集し、委員長が会議の議長となる。

8 会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

9 会議の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

10 委員長は、委員が苦情等の当事者となっている場合は、当該委員の会議への出席を停止させることができる。

11 委員長は、会議の経過及び結果並びに前条第5項の規定により相談員から報告を受けた内容を消防局長に報告しなければならない。

12 委員会に関する庶務は、消防局総務課において処理する。

(秘密の保持)

第10条 相談員及び委員会の委員は、ハラスメントに関する苦情等の対応又は処理を行うに当たっては、当事者及び関係者の秘密の保持に努めるとともに、これらの者が不利益を被らないよう特段の注意を払わなければならない。相談員及び委員会の委員がその職を退いた後も、同様とする。

(人事管理上の措置)

第11条 消防局長は、委員会による調査等の結果、ハラスメントに係る悪質な事実が確認された場合は、必要に応じ、加害者及びその所属長に対し、懲戒処分を含む措置を講ずるものとする。

(その他)

第12条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

この告示は、公表の日から施行する。

別記第1(第4条関係)

ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項

1 お互いの人格を尊重し合い、お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。

2 どんな言動を不快に感じるか否かには個人差があり、親しさの表現が言動の真の動機であったとしても、場合によっては本人の意図とは関係なく、ハラスメントになってしまうこともあるということを認識し、この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測や、相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。

3 ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないことを認識するとともに、自分の言動に対して、相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないように心掛けること。

4 職場においては、職員以外の者に対する言動もハラスメントの対象となること、また、職員間においては、職場外の言動についてもハラスメントの対象となることを認識し、十分注意すること。

5 自らの言動が、その態様によっては全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがあることを認識すること。

別記第2(第4条関係)

ハラスメントを生じさせないために職員が認識すべき事項

1 職場の構成員としての心構え

(1) 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために、職場におけるハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーとみたり、ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片付けないように努めること。

(2) 職場からハラスメントに関する問題の当事者を出さないようにするために、仮にハラスメントが見受けられる場合には、職場の同僚として行為者に注意し、被害を受けていることを見聞きした場合には、被害を受けている職員に声を掛けて相談に乗るように努めること。

(3) 職場において、ハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務環境づくりをする上で、上司、同僚に相談するなどの方法もとるよう努めること。

2 ハラスメントに起因する問題が生じた場合の心構え

(1) ハラスメントを受けた場合には、その被害を深刻にしないために、一人で我慢しているだけでは問題が解決しないことを認識し、またハラスメントをなくすことは自分だけの問題ではなく、良好な勤務環境の形成に重要であるとの考えに立ち、勇気を出して行動することをためらわないこと。

(2) ハラスメントによる被害を受けたと思う場合には、相手に対して明確な意思表示(拒否、抗議、苦情の申出)をし、また一人で悩まずに上司、身近な信頼できる人又は相談員に相談すること。

別記第3(第8条関係)

苦情等を受けた場合の処理マニュアル

1 事態を悪化させないようにするために、可能な限り迅速に対応するとともに、被害者が悩み、苦痛を感じていることが確認される場合には、たとえ、言動が軽度なものであっても、行為者に状況を伝えて注意するなど、適切な対応を図ること。

2 被害者から事実関係等を聴取するに当たっては、被害者が求めていること、また、被害者の心身の状態等を考慮し、苦情等の対応にどの程度の時間的余裕があるのかについて把握すること。

3 事実関係については、次の事項を確認すること。

(1) 被害者と加害者の関係。

(2) 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。

(3) 被害者は、加害者とされる者に対してどのような対応をとったか、また、加害者とされる者はどのような対応をとったか。

(4) 被害者は、その他どのような対応をとったか。なお、これらの事実を確認する場合、被害者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者がいるのか把握すること。

4 原則として、加害者とされる者からも事実関係等を聴取する必要があること。

ただし、ハラスメントが職場内で行われ比較的軽微なものであり、対応に時間的余裕がある場合などは、観察、指導による対応が適当な場合もあるので、その都度、適切な方法を選択して対応すること。なお、加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、2及び3を参考にするとともに、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与えること。

5 当事者間で事実関係に関する主張に食い違いがあり、事実確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要であり、聴取するに当たっては、2及び3を参考の上、適切に対応すること。

6 苦情等を受けるに当たっては、相談内容が他の者に漏れないように遮断された場所において実施すること。

7 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。

8 苦情等について、具体的な措置を講ずる場合は、所属長等と相談の上、これを行うこと。

画像

画像

画像

都城市消防局消防職員ハラスメントの防止等に関する要綱

平成30年2月1日 消防告示第4号

(平成30年2月1日施行)