○都城市田野頭首工管理規程

平成23年3月31日

訓令第16号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 取水、放流及びゲートの操作に関する事項

第1節 水位(第7条)

第2節 取水(第8条―第10条)

第3節 放流及びゲートの操作(第11条―第17条)

第3章 点検及び整備に関する事項(第18条―第20条)

第4章 洪水警戒体制における措置に関する事項(第21条・第22条)

第5章 記録に関する事項(第23条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、都城市田野頭首工(堰堤、取水施設、電気設備その他附帯施設を含む。以下「頭首工」という。)の操作方法のほか、頭首工の管理並びに取水の基準に関し、国営都城盆地土地改良事業に係る水利使用規則(平成20年5月21日付け国九整20水淀第3号。以下「水利使用規則」という。)第10条第1項並びに土地改良法(昭和24年法律第195号)第96条の4で準用する同法第57条の2第1項に基づき必要な事項を定めるものとする。

(管理者及び管理主任技術者)

第2条 頭首工管理者(以下「管理者」という。)は、水利使用規則及びこの訓令の定めるところにより頭首工の管理をするものとする。

2 管理者は、頭首工の管理を適正に行うために木之川内ダム管理所に管理主任技術者を1人置くものとする。

(管理主任技術者の業務)

第3条 前条の管理主任技術者は、部下の職員を指揮監督してこの訓令の定めるところにより、頭首工の管理に関する事務を行わなければならない。

(頭首工の諸元等)

第4条 頭首工の諸元その他管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。

(1) 可動部 洪水吐ゲート(兼土砂吐ゲート) (天端標高) 303.65メートル

(2) ゲート規模

 洪水吐ゲート(幅13.0メートル×高さ2.0メートル×1門)

ローラゲート

 取水ゲート(幅3.2メートル×高さ1.5メートル×2門)

ローラゲート

 魚道ゲート(幅2.6メートル×高さ1.0メートル×3連)

起伏ゲート

 排砂ゲート(幅1.0メートル×高さ1.0メートル×1門)

スライドゲート

 流量調整ゲート(幅7.45メートル×高さ1.1メートル×1門)

ローラゲート

 排砂暗渠吐口ゲート(幅1.0メートル×高さ1.0メートル×1門)

スライドゲート

(3) ゲート開閉の速さ

 洪水吐ゲート1分間につき 0.05メートル

 取水ゲート1分間につき 0.30メートル

 魚道ゲート1ステップ 0.025メートル

 排砂ゲート 手動

 流量調整ゲート1分間につき 0.30メートル

 排砂暗渠吐口ゲート 0.30メートル

(4) 集水面積

直接集水面積 18.4平方キロメートル

(5) 計画高水流量 毎秒250立方メートル

(6) 計画高水位 (標高) 305.85メートル

(7) 計画取水位 (標高) 303.55メートル

(用語の定義)

第5条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 洪水 頭首工地点における河川流量が毎秒26立方メートル以上であることをいう。

(2) 洪水時 洪水が発生しているときをいう。

(水位等の算定方法)

第6条 頭首工地点の河川の水位(以下「頭首工の水位」という。)は、頭首工左岸に取り付けられた自記水位計の読みに基づいて算定するものとする。

2 頭首工地点の河川の流量は、頭首工上流右岸に取り付けられた自記水位計の読みに基づいて算定するものとする。

第2章 取水、放流及びゲートの操作に関する事項

第1節 水位

(計画取水位)

第7条 計画取水位は、頭首工地点の水位で標高303.55メートル(水位計標高303.55メートル)とする。

2 管理主任技術者は、前項に規定する水位を厳守して、かんがい用水の取水を行い、かつ河川の流量を努めて恒常的に維持させるものとする。

第2節 取水

(取水)

第8条 頭首工からの取水は、それぞれの期間において次に掲げる範囲内で気象、水象及びかんがい等の状況を考慮して受益地に必要な水量を取水するものとする。

期間

区分

1月1日から12月31日まで

(立方メートル/毎秒)

年間総取水量

(千立方メートル)

集水用取水口

4.081

10,900

2 頭首工からの取水は、次に掲げる各基準点における河川流量のすべてが、それぞれの河川流量を超える場合に限り、その超える部分の最も小さいものの範囲内において行うものとする。

河川名

基準地点

基準河川流量

庄内川

田野頭首工地点

4月21日から10月15日まで

10月16日から4月20日まで

毎秒0.626立方メートル

毎秒0.570立方メートル

下堤橋地点

3月11日から10月15日まで

10月16日から3月10日まで

毎秒6.809立方メートル

毎秒3.565立方メートル

大淀川

国土交通省高岡観測所

毎秒26立方メートル

(取水時のゲートの操作)

第9条 かんがい用水の取水は、頭首工の水位及び取水量に応じて流量調整ゲート、魚道ゲート及び洪水吐ゲートの開度を調節して行うものとする。

(取水量の測定)

第10条 取水量の測定は、流量調整ゲート前に設置された自記水位計の読みに基づいてするものとする。

第3節 放流及びゲートの操作

(放流の原則)

第11条 頭首工からの放流は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り放流することができる。

(1) 下流における他の河川の使用のため必要な河川の流量を確保する必要があるとき。

(2) 第7条第1項の規定を守る必要があるとき。

(3) 排砂の必要があるとき。

(4) 頭首工の点検又は整備のため必要があるとき。

(5) その他市長が必要があると認めたとき。

(頭首工からの放流)

第12条 第7条第1項の計画取水位で標高303.55メートルを超え、さらに洪水吐ゲートの許容越流水位で標高303.95メートルに至ったときは、次に定めるところにより、頭首工から放流するものとする。ただし、頭首工からの放流が次条の規定に適合しないこととなるときはできるだけこれに適合する方法で行う。

(1) 流入量に相当する流量の流水を頭首工から放流し、洪水吐ゲートを全開操作することとなるまでの間、これを継続すること。また、流入量が毎秒26立方メートルに至った時点で洪水吐ゲートの全開操作を行うこと。

(2) 前号に規定する時間が経過した時から洪水吐ゲートを全開にしておき、流入量が最大となったときを経て頭首工地点の水位が計画取水位に等しくなるまでの間これを継続すること。

(3) 前号に規定する時間が経過したとき以降は、第7条第1項に規定する水位を保ちながら流水を頭首工から放流すること。

(4) 洪水吐ゲート(兼土砂吐ゲート)の操作は、当該操作により下流に急激な水位の上昇及び濁水の被害が生じないようにすること。

(放流の開始及び放流量の増減の方法)

第13条 頭首工からの放流は、ゲートを全開にしている場合及び洪水時を除き、下流の水位に急激な変動を生じないように別表第1に定めるところによってしなければならない。ただし、流入量が急激に増加しているときは、当該流入量の増加率の範囲内において放流を増加することができる。

(頭首工ゲートの操作の方法等)

第14条 洪水吐ゲートから放流する場合における洪水吐ゲートの1回の開閉の動きは、5センチメートルを超えてはならない。ただし、流入量が急激に増加している場合においてやむを得ないと認められるときは、この限りでない。

2 洪水吐ゲートは、第12条の規定により放流する場合又は点検若しくは整備のため必要がある場合を除くほか開閉してはならない。

(放流の際の一般に周知させるための措置)

第15条 放流に際して、一般にも周知させるための措置として、頭首工地点において警告をしなければならない。警告は、拡声機により洪水吐ゲートを操作する直前に行わなければならない。

(放流の安全の確認)

第16条 洪水吐ゲートを操作してゲートからの放流量を開始するときは、あらかじめゲート直下流の安全を確認しなければならない。

(頭首工の操作に関する記録の作成)

第17条 頭首工ゲートを操作した場合においては、次に掲げる事項を記録しておかなければならない。

(1) 操作の理由

(2) 開閉したゲートの名称、その最初の1回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えたときにおけるその開度

(3) ゲートの最初の1回の開閉を始めたとき及びこれを終えたときにおける頭首工の水位及び放流量

(4) 第15条の規定による警告の実施状況

(5) その他参考となるべき事項

第3章 点検及び整備に関する事項

(点検及び整備等)

第18条 管理主任技術者は、堰堤、ゲート等を操作するために必要な機械器具の点検及び整備を行い、特にゲートについては適時運転を行わなければならない。洪水又は地震その他これに類する異常な現象でその影響が頭首工に及ぶものが発生したときは、その発生後、速やかに、頭首工の点検を行い、頭首工に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。

(監視)

第19条 管理主任技術者は、頭首工及びその周辺について常に監視を行い、その維持管理及び保全に支障を及ぼす行為並びに危険の防止に努めなければならない。

(異常かつ重大な状態に関する報告)

第20条 洪水又は地震、その他の原因により頭首工に関する異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに応急の措置を講じるとともに、別表第2に掲げる関係機関に対しその旨を報告しなければならない。

第4章 洪水警戒体制における措置に関する事項

(洪水警戒時)

第21条 この訓令において洪水警戒時とは、次に該当するときをいう。

(1) 頭首工に係る予報区を対象として大雨警報が発せられ、その他洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至ったときから、警報が解除され、又は切り替えられ、かつ、洪水の発生するおそれが少ないと認められるまでの間

(2) 頭首工の水位が標高303.95メートルに至るおそれが大きいと認められるときから頭首工の水位が標高303.95メートル未満となり、再び増水するおそれがないと認められたときまでの間

(洪水警戒時における措置)

第22条 洪水警戒時は、洪水警戒体制をとることとし、職員を呼集してそれぞれの担当部署に配置し、次に掲げる措置をとらなければならない。

(1) 頭首工を操作するために必要な機械及び器具(予備電源設備を含む。)の点検整備その他頭首工の管理のため必要な措置

(2) 宮崎地方気象台及び別表第2に掲げる関係機関との連絡並びに気象及び水象に関する観測及び情報の収集を密に行うこと。

(3) 常に河川の流量及び水位に注意し第13条の規定により頭首工の操作に万全を期すること。

(4) 第17条の規定による頭首工の操作に関する記録の作成

第5章 記録に関する事項

(管理日誌)

第23条 管理主任技術者は、管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。

(1) 気象

(2) 水象

(3) 取水量

(4) 取水ゲートの操作の時刻及び開度

(5) 点検及び整備に関すること。

(6) その他頭首工の管理に関すること。

この訓令は、平成23年4月1日から施行する。

別表第1(第13条関係) 田野頭首工放流量増加制限曲線図

画像

当該時刻以降10分間における放流の増分

(m3/s)

当該時刻直前の放流量

(m3/s)

0.00

0.000

0.10

0.111

0.20

0.316

0.30

0.615

0.40

1.008

0.50

1.496

0.60

2.078

0.70

2.754

0.80

3.524

0.90

4.388

1.00

5.347

1.10

6.400

1.20

7.547

1.30

8.788

1.40

10.123

1.50

11.553

1.60

13.076

1.70

14.694

1.80

16.406

1.90

18.212

2.00

20.113

2.10

22.108

2.20

24.196

2.28

26.002

別表第2(第20条、第22条関係) 報告又は連絡を行うべき関係機関

報告又は連絡の相手方

報告又は連絡の方法

摘要

名称

担当機関の名称

宮崎県知事

都城土木事務所総務課

FAX送信

電話確認

第22条の連絡

都城市長

都城市総務部総務課

警備員室

FAX送信

電話確認

第22条の連絡

警備員室へも報告

FAX送信

電話確認

第22条の連絡

都城警察署長

都城警察署地域課

FAX送信

電話確認

第22条の連絡

九州地方整備局長

宮崎河川国道事務所占用調整課

FAX送信

電話確認

第20条の報告

第22条の連絡

都城市田野頭首工管理規程

平成23年3月31日 訓令第16号

(平成23年4月1日施行)

体系情報
第10類 業/第2章 農林・水産
沿革情報
平成23年3月31日 訓令第16号