○都城市文化財の指定に関する基準
平成22年2月19日
都教委告示第6号
(趣旨)
第1条 この告示は、都城市文化財保護条例(平成18年条例第277号。以下「条例」という。)第5条第1項及び第3項の規定に基づき、都城市教育委員会が行う都城市指定文化財の指定及び無形文化財の保持者の認定に関する基準について定めるものとする。
(有形文化財)
第2条 都城市指定有形文化財は、次に掲げるものとする。
(1) 建造物
ア 意匠的に優秀なもの
イ 技術的に優秀なもの
ウ 歴史的価値の高いもの
エ 学術的価値の高いもの
オ 流派的特色又は地域的特色において顕著なもの
(2) 絵画・彫刻・工芸品
ア 各時代の遺品のうち製作が優秀なもので文化史上重要と認められるもの
イ 絵画、彫刻及び工芸史上重要と認められるもの
ウ 題材、品質、形状、形態又は技法等の点で特色があり、意義の深いもの
エ 流派的特色又は地域的特色において顕著なもの
オ 渡来品で本市の文化にとって特に意義あるもの
(3) 書跡・典籍
ア 書跡類(宸翰、和漢名家筆跡、古筆、墨跡、法帖等)のうち、本市の書道史上又は文化史上重要と認められるもの
イ 典籍類のうち写本類は、和書、漢籍、仏典及び洋書の原本又はこれに準ずる写本で本市の文化史上重要と認められるもの
ウ 典籍類のうち版本類(版木を含む。)は、印刷史上重要と認められるもの
エ 書跡類、典籍類で歴史的又は系統的にまとまって伝存し、学術的価値の高いもの
オ 書跡類、典籍類で流派的特色又は地域的特色において顕著なもの
(4) 古文書
ア 古文書類のうち本市の歴史上重要と認められるもの
イ 日記、記録類(絵図又は系図類を含む。)は、その原本又はこれに準ずる写本で歴史上重要と認められるもの
ウ 木簡、印章、金石文等は、記録性が高く、学術上重要と認められるもの
エ 古文書類、日記、記録類等で歴史的又は系統的にまとまって伝存し、地域的価値又は学術的価値の高いもの
オ 渡来品で本市の歴史上特に意義のあるもの
(5) 考古資料
ア 土器、石器、木器、骨角牙器、玉その他縄文時代及びそれ以前の遺物で、学術的価値の高いもの又は本市の歴史上重要と認められるもの
イ 銅鐸、銅剣、銅鉾、その他弥生時代の遺物で、学術的価値の高いもの又は本市の歴史上重要と認められるもの
ウ 古墳の出土品その他古墳時代の遺物で、学術的価値の高いもの又は本市の歴史上重要と認められるもの
エ 官衙跡、社寺跡、墓、経塚等の出土品その他飛鳥・奈良時代以降の遺物で、学術的価値の高いもの又は本市の歴史上重要と認められるもの
オ 渡来品で本市の歴史上意義が深く、かつ、学術的価値の特に高いもの
(6) 歴史資料
ア 政治、経済、社会、文化、科学技術等、本市の歴史上の各分野における重要な事象に関する遺品のうち地域的価値又は学術的価値の高いもの
イ 本市の歴史上重要な人物に関する遺品のうち地域的価値又は学術的価値の高いもの
ウ 本市の歴史上重要な事象又は人物に関する遺品で、歴史的又は系統的にまとまって伝存し、地域的価値又は学術的価値の高いもの
エ 渡来品で本市の歴史上意義が深く、かつ、学術的価値の特に高いもの
(無形文化財)
第3条 都城市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)は、次に掲げるものとする。
(1) 芸能
(ア) 芸術上特に価値の高いもの
(イ) 芸能史上特に重要な地位を占めるもの
(ウ) 芸術上価値が高く、又は芸能史上重要な地位を占め、かつ、流派的特色又は地域的特色があるもの
イ アに掲げる芸能の成立、構成上重要な要素をなす技法で特に優秀なもの
(2) 工芸技術
ア 芸術上特に価値の高いもの
イ 工芸史上特に重要な地位を占めるもの
ウ 芸術上価値が高く、又は工芸史上重要な地位を占め、かつ、地域的特色が特に顕著なもの
(1) 芸能関係
ア 芸能又は技法を高度に体現できる者
イ 芸能又は技法を正しく体得し、かつ、これに精通している者
ウ 2人以上の者が一体となって芸能又は技法を高度に体現している場合において、これらの者が構成している団体の構成員
(2) 工芸技術関係
ア 工芸技術を高度に体現できる者
イ 工芸技術を正しく体得し、かつ、これに精通している者
ウ 2人以上の者が共通の特色を有する工芸技術を高度に体現している場合において、これらの者が構成している団体の構成員
(有形民俗文化財)
第5条 都城市指定有形民俗文化財は、次に掲げるものとする。
ア 衣食住に用いられるもの(衣服、装身具、飲食用具、光熱用具、家具調度、住居等)
イ 生産及び生業に用いられるもの(農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等)
ウ 交通、運輸及び通信に用いられるもの(運搬具、舟車、飛脚用具、関所等)
エ 交易に用いられるもの(計算用具、計量具、看板、鑑札、店舗等)
オ 信仰に用いられるもの(祭祀具、法会具、奉納物、偶像類、呪術用具、社祠等)
カ 社会生活に用いられるもの(贈答用具、警防用具等)
キ 民俗知識に関して用いられるもの(暦類、卜占用具、医療用具、教育施設等)
ク 民俗芸能、娯楽及び遊戯に用いられるもの(衣裳、道具、楽器、面、人形、玩具、舞台等)
ケ 人の一生に関して用いられるもの(産育用具、冠婚葬祭用具、産屋等)
コ 年中行事に用いられるもの(正月用具、節供用具、盆用具等)
ア 歴史的変遷を示すもの
イ 時代的特色を示すもの
ウ 地域的特色を示すもの
エ 生活階層の特色を示すもの
オ 職能の様相を示すもの
(無形民俗文化財)
第6条 都城市指定無形民俗文化財は、次に掲げるものとする。
ア 由来、内容等において、市民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
イ 年中行事、祭礼、法会等の中で行われる行事で芸能の基盤を示すもの
ア 芸能の発生又は成立を示すもの
イ 芸能の変遷の過程を示すもの
ウ 地域的特色を示すもの
(史跡)
第7条 都城市指定史跡は、歴史の正しい理解のため欠くことができず、かつ、その遺構が比較的よく原形を保っているもの又は旧態を推定し得るもので学術的価値のある遺跡のうち次に掲げるものとする。
(1) 集落関係遺跡(住居跡、貝塚、石器製造跡、配石遺構等)、生産関係遺跡(条里跡、窯業遺跡、製鉄遺跡等)、埋葬関係遺跡(方形周溝墓、古墳、地下式横穴等)等
(2) 役所跡、陣屋跡、城館跡、防塁、古戦場その他政治、軍事に関する遺跡
(3) 社寺等の跡又は旧域、経塚、十三塚その他祭祀信仰に関する遺跡
(4) 屋敷跡(名主屋敷等の跡)、町屋跡、居宅跡等
(5) 郷学、私塾、寺子屋、学校、文庫その他教育学芸に関する遺跡
(6) 慈善施設その他社会事業に関する遺跡
(7) 街道、関所跡、番所跡、木戸跡、一里塚、宿場跡、渡舟場跡、堤防、用水、牧跡、猪垣、市場跡その他交通、土木、産業に関する遺跡
(8) 墓及び碑
(9) 由緒ある旧宅、園池、井泉、樹石等
(10) 外国及び外国人に関する遺跡
(名勝)
第8条 都城市指定名勝は、次に掲げるもののうち、本市のすぐれた郷土美として欠くことのできないものであって、その自然的なものにおいては、風致景観の優秀なもの、古くから名所として知られているもの又は学術的価値の高いものとし、人文的なものにおいては、芸術的価値又は学術的価値の高いものとする。
(1) 公園、庭園等
(2) 橋梁、築堤等
(3) 木本、草本等の群生する場所
(4) 鳥、獣、魚及び虫類の生息する場所
(5) 岩石及び洞穴
(6) 峡谷、瀑布、渓流及び深淵
(7) 湖沼、湿原及び湧泉
(8) 火山及び温泉
(9) 山岳、丘陵及び河川
(10) 展望地点
(天然記念物)
第9条 都城市指定天然記念物は、次に掲げるものとする。
(1) 動物
ア 日本特有の動物で著名なもの及びその生息地
イ 学術上保存を必要とするもの及びその生息地
ウ 学術的に貴重な盆地特有の動物又は動物群聚
(2) 植物
ア 栽培種の木本のうち特に貴重なもの
イ 学術上貴重な種、群生(植物相)及びその生育地
ウ 植物分布上重要な種及びその生育地(限界地)
エ 希少又は絶滅の恐れがある種の自生地
(3) 地質鉱物
ア 岩石、鉱物及び化石の産出状態
イ 地層の整合及び不整合
ウ 地層の褶曲及び衡上
エ 生物の働きによる地質現象
オ 地震断層など地塊運動に関する現象
カ 洞穴
キ 岩石の組織
ク 温泉及びその沈殿物
ケ 風化及び侵蝕による地質現象
コ 硫気孔及び火山活動によるもの
サ 氷雪霜の営力による現象
シ 特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本
(4) 天然保護区域
保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域
附則
この告示は、平成22年4月1日から施行する。