○都城市高城地区索道施設安全管理規程
平成19年1月26日
訓令第18号
目次
第1章 目的等(第1条)
第2章 輸送の安全を確保するための基本的な方針等(第2条)
第3章 輸送の安全を確保するための事業の実施及び管理の体制並びに方法
第1節 輸送の安全の確保に関する組織体制(第3条・第4条)
第2節 安全統括管理者等の責務(第5条―第9条)
第3節 輸送の安全の確保に関する事業の実施及び管理の方法(第10条―第15条)
第4章 索道施設の保守及び索道の運行の管理の方法(第16条―第25条)
附則
第1章 目的等
(目的等)
第1条 この訓令は、鉄道事業法(昭和61年法律第92号。以下「法」という。)第38条において準用する法第18条の3第2項の規定に基づき、市が設置した索道施設における輸送の安全を確保するために遵守すべき事業の運営の方針、事業の実施及び管理の体制並びに方法を定めることにより、輸送に係る安全管理体制の確立並びに安全水準の維持及び向上を図ることを目的とする。
2 索道施設における輸送の安全の確保については、法、索道施設に関する技術上の基準を定める省令(昭和62年運輸省令第16号)第3条の規定に基づく実施細則その他輸送の安全に関する法令(以下「関係法令等」という。)に定めるもののほか、この訓令に定めるところによる。
第2章 輸送の安全を確保するための基本的な方針等
(輸送の安全を確保するための方針)
第2条 市長は、安全第一の意識をもって事業活動を行える体制の整備に努めるとともに、安全の確保に関する業務の実施状況を踏まえ、必要に応じて当該業務の見直しを行うものとする。
2 市長及び索道の運行及び管理の業務に従事する職員(職員に準ずる者を含む。以下「職員等」という。)は、次に掲げる基本理念及び安全管理方針を遵守しなければならない。
(1) 一致協力して輸送の安全の確保に努めること。
(2) 関係法令等を十分理解するとともに、これを遵守し、厳正かつ忠実に職務を遂行すること。
(3) 常に輸送の安全に関する状況を理解するよう努めること。
(4) 職務の実施に当たり、推測に頼らず確認の励行に努め、疑義のあるときは、最も安全と判断される取扱いをすること。
(5) 事故若しくはそのおそれのある事態又は災害その他輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある事態(以下「事故・災害等」という。)が発生したときは、人命救助を最優先に行動し、速やかに安全かつ適切な処置を行うこと。
(6) 情報については、漏れなく迅速かつ正確に伝え、透明性を確保すること。
3 前項の方針に基づき策定した索道施設に係る安全性の維持及び向上のための施策並びにこれに基づく取組みの実績その他安全に関する情報については、毎年度これを取りまとめ、安全報告書として公表するものとする。
第3章 輸送の安全を確保するための事業の実施及び管理の体制並びに方法
第1節 輸送の安全の確保に関する組織体制
(市長の責務等)
第3条 市長は、索道事業の遂行に際し、設備、運行、要員、投資、予算その他の必要な計画の策定において、次条に掲げる者その他の責任者に、安全性及び実現可能性の観点から検証を行わせるものとする。
2 市長は、輸送の安全を確保するため、索道事業の実施及び管理の状況を把握し、必要な改善を行うものとする。
3 市長は、輸送の安全確保に関する改善施策の決定に際しては、安全統括管理者の意見を尊重するものとする。
4 市長は、事故・災害等の規模や内容等に応じ、事故対策本部の設置や責任者、対応方法その他必要な事項を定め、職員等に周知徹底しなければならない。
(1) 安全統括管理者 索道事業の輸送の安全の確保に関する業務を統括すること。
(2) 索道技術管理者 安全統括管理者の指揮の下、索道の運行の管理、索道施設の保守の管理その他の技術上の事項に関する業務を統括管理すること。
(3) 索道技術管理員 索道技術管理者の指揮の下、索道技術管理者の行う業務を補助すること。
2 市長は、責任者の選任、解任等に当たっては、これを職員等に周知することにより、輸送の安全確保に関する責任体制を明確にしなければならない。
3 責任者は、輸送の安全確保に関する情報に係る相互の連絡を緊密にし、打合せを正確に行うことにより、それぞれの業務を適切に遂行できるようにしなければならない。
4 市長は、責任者が事故・災害等によりその職務を遂行できない場合には、その都度適切な者にその職務を代行させなければならない。
第2節 安全統括管理者等の責務
(安全統括管理者の選任及び解任)
第5条 市長は、安全統括管理者を法及び鉄道事業法施行規則(昭和62年運輸省令第6号。以下「規則」という。)で定める資格要件を満たす者であって、安全に関し十分な知識及び経験を有するものの中から選任する。
2 市長は、安全統括管理者が次の各号のいずれかに該当するときは、これを解任する。
(1) 人事異動等により安全統括管理者の要件を満足しなくなったとき。
(2) 国土交通大臣からの解任命令が出されたとき。
(3) 身体の故障その他やむを得ない事由により、職務を引き続き行うことが困難になったとき。
(4) 関係法令等への違反により、輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあるとき。
(安全統括管理者の責務)
第6条 安全統括管理者は、次に掲げる業務を行う責務を有する。
(1) 安全確保を最優先して輸送業務を実施すること及び管理部門を統括管理すること。
(2) 関係法令等の遵守及び安全第一の意識について、職員等への周知徹底を行うこと。
(3) 輸送業務の実施及び管理の状況について、随時、確認を行い、必要な改善措置を講じること。
(4) 輸送の安全確保に関する事業運営上の重要な決定に参画し、市長その他の責任者に対して必要な意見を述べること。
(5) 輸送の安全の確保に関し、事故・災害等についての情報を収集し、索道技術管理者その他の責任者への通知及び必要な指示を行うこと。
2 安全統括管理者は、輸送の安全確保に関する業務について、定期的に市長等へ報告を行うこと。
(索道技術管理者の選任及び解任)
第7条 市長は、索道技術管理者を法及び規則で定める要件を満たす者の中から選任する。
2 第5条第2項の規定は、索道技術管理者の解任について準用する。
(索道技術管理者の責務)
第8条 索道技術管理者は、次に掲げる業務を統括管理する責務を有する。
(1) 索道の運行に関すること。
(2) 索道施設の保守に関すること。
(3) 係員(職員等のうち、現場において索道施設の保守又は索道の運行に係る直接の作業を行う者をいう。以下同じ。)の教育訓練に関すること。
(索道技術管理員の選任及びその責務)
第9条 市長は、索道技術管理員を規則で定める要件を満たす者の中から選任する。
2 索道技術管理員は、勤務状態を考慮し、索道の運行の管理に支障を生じないように必要となる者を選任しなければならない。
3 索道技術管理員は、次に掲げる業務を行う責務を有する。
(1) 索道の運行の管理
(2) 索道施設の保守の管理
4 索道技術管理員は、前項に掲げる業務の実施状況について、随時、索道技術管理者へ報告しなければならない。
第3節 輸送の安全の確保に関する事業の実施及び管理の方法
(業務報告)
第10条 安全統括管理者は、輸送の安全確保に関する業務を統括管理するため、業務の実施に関し、不安全行動等の安全を損なう事態及び事故の防止対策に有効な情報等について、索道技術管理者に随時報告を求めるものとする。
2 職員等は、輸送の安全の確保に関し、相互に必要な情報を伝達するものとする。
(事故、災害等の防止対策の検討)
第11条 安全統括管理者は、事故、災害、事故のおそれがある事態その他輸送の安全確保に関する情報を分析及び整理し、これらの防止対策の検討を行うものとする。
2 安全統括管理者は、前項の検討を通じて得られた不安全事象の再発防止及び安全意識の向上のために重要である事項について、職員等の間における情報の共有を図るものとする。
(業務の確認)
第12条 安全統括管理者は、適宜、事業所に赴き、輸送に係る業務の実施及び管理の状況を確認することにより、潜在する危険要因を抽出し、業務改善が必要な事項について的確な措置を講ずるものとする。
2 安全統括管理者は、業務の実施及び管理の状況の確認について、必要に応じ、外部の者の能力を活用することができる。
(安全管理体制の維持のための教育訓練)
第13条 安全統括管理者は、安全管理体制の維持及び改善に必要な教育訓練を適宜実施するものとする。
(安全管理に関する事務処理基準の整備)
第14条 安全統括管理者は、輸送の安全を確保するため、関係法令等及びこの訓令に定めるもののほか、索道施設の保守及び索道の運行に関し必要な事項を定め、市長及び職員等に周知するものとする。
(帳票類及び記録の管理)
第15条 安全統括管理者は、関係法令等及びこの訓令、索道施設の構造、性能等に係る帳票類その他の資料を所管課に備え、適切に保管するものとする。
2 安全統括管理者の意見及び輸送の安全の確保に関する事業運営上の方針を協議する会議については、記録を作成し、適切に保管するものとする。
第4章 索道施設の保守及び索道の運行の管理の方法
(索道施設の設置又は改良)
第16条 索道技術管理者は、索道施設の設置又は改良に当たり、輸送の安全確保に支障が生じないよう整備計画を策定し、安全統括管理者に報告する。
2 索道技術管理者は、索道施設の設置又は改良に当たっては、適宜、検査等を行い、適切に施工されていることを確認するものとする。
(索道施設の保守管理計画の作成)
第17条 索道技術管理者は、索道施設を常に安全な状態に保持するため、検査、整備等についての索道施設の保守に係る計画を作成し、安全統括管理者に報告する。
2 前項の計画は、施設整備に係る担当者数、作業量等を十分考慮して作成し、索道の安全な運行に支障を生じてはならない。
3 索道技術管理者は、第1項の計画の実行に支障を生じないように要員の確保、交換部品の供給等に努める。
4 索道技術管理者は、索道施設の検査、整備に係る作業の方法、手順等を定め、これを関係者に周知徹底する。
(索道施設の整備等の外部委託)
第18条 市長は、索道施設の整備等を外部に委託することが必要であると認めるときは、適切と認めた者に委託することができる。
2 索道技術管理者は、委託する業務の内容に応じ、当該業務の管理者(以下「業務管理者」という。)を指定し、適切に業務を行わせなければならない。
3 索道技術管理者は、業務管理者との間における指示、報告の方法、手順等を明確にして業務を遂行し、必要に応じて委託した業務が適切に行われているかを立会い、確認しなければならない。
4 索道技術管理者は、業務管理者から委託した業務の完了報告を受け、その報告結果について措置を行う必要がある場合は、速やかに対処しなければならない。
5 索道技術管理者は、委託した業務に必要な情報の伝達を、適時、業務管理者に対し行うとともに、必要に応じて指導しなければならない。
6 索道技術管理者は、委託した業務の実施により事故・災害等が発生したとき、又は異常を認めたときは、業務管理者に速やかに状況を報告させるとともに、必要な指示をしなければならない。
(交番表の作成)
第19条 索道技術管理者は、事業所における索道の種類、方式、旅客の状況等に応じ、輸送の安全を確保するための係員の配置及び作業標準を定め、安全統括管理者に報告する。
2 索道技術管理者は、前項に規定する係員の配置及び作業標準に従い、定められた運行時間に対応した係員の交番表を作成し、索道の運行に支障を生じないように、所要の係員を配置する。
3 前項の勤務交番表には、運行の管理の責任者(以下「索道技術管理員」という。)を記載する。
(始業点検)
第20条 索道技術管理員は、運行開始前に施設の始業点検を実施し、運行に支障のないことを確認し、所要の係員が所定の配置についたことを確認した後でなければ運行を開始してはならない。
(運行管理の責任体制)
第21条 索道の運行の管理は、配置された索道技術管理員が行うものとし、索道技術管理者は、適宜運行状況等を把握しなければならない。
2 索道技術管理者は、索道技術管理員が病欠等で不在となった場合の対応についてあらかじめ定め、これを関係者に周知徹底するものとする。
(乗車人員、乗車制限等)
第22条 索道技術管理員は、乗車人員及び積載量の管理、危険品所持者その他の乗車制限に係る取扱いをあらかじめ定め、これを係員に周知徹底する。
(異常気象時の対応方法)
第23条 索道技術管理員は、気象の状況について常に留意し、輸送の安全に支障を生ずるおそれがある場合には、運行停止の指示その他の適切な措置を講じるものとする。
(係員の教育訓練)
第24条 索道技術管理者は、係員に対し教育訓練を行い、作業を行うために必要な知識及び技能を保有していることを確認し、当該作業を行わせる。
2 索道技術管理者及び索道技術管理員は、係員が知識及び技能を十分に発揮できない心身状態にあると認めるときは、その作業を行わせてはならない。
3 索道技術管理者は、係員の資質に疑義がある場合は、当該作業員の作業に関する知識及び技能の程度を確認した上で必要な教育計画を策定し、教育訓練を実施する。
(事故・災害等に関する訓練)
第25条 索道技術管理者は、事故・災害等の発生時における対応の方法を定め、係員が迅速かつ的確に対応できるように、あらかじめ係員の役割を定めるとともに、定期的に救助等に関する訓練を行う。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、公表の日から施行し、平成18年10月1日から適用する。
(経過措置)
2 この訓令の施行前において選任された第4条に規定する責任者及び職員等は、この訓令に基づき選任されたものとみなす。
3 この訓令の施行前において、作成された書類等については、この訓令に基づき作成されたものとみなす。
附則(平成21年7月24日訓令第15号)
この訓令は、公表の日から施行する。
附則(平成23年12月27日訓令第16号)
この訓令は、平成23年12月29日から施行する。
附則(令和2年12月21日訓令第6号)
この訓令は、令和3年2月1日から施行する。
附則(令和4年5月2日訓令第1号)
この訓令は、公表の日から施行する。
別図(第4条関係)
組織図