○都城市男女共同参画社会づくり条例

平成18年9月22日

条例第342号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第14条)

第2章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策(第15条―第23条)

第3章 都城市男女共同参画社会づくり審議会(第24条)

第4章 雑則(第25条)

附則

すべての人は元来、個人として尊重されるべき存在である。

本市においても、これまで個人の尊厳及び人権の尊重のため、男女平等の推進その他の様々な取組みを進めてきたが、その実現を妨げるような性別による固定的な役割分担等を反映した社会通念や慣行が根強く存在している。その改善を図るために、男女共同参画に関する認識を深め、職場、家庭、地域等における社会通念や慣行の見直しを進めることが求められている。

男女共同参画の推進は、性差を否定するなど男女の区別をなくすことを目指すものではなく、また、伝統文化等を否定するものでもないため、性別による固定的な役割分担等を反映した社会通念や慣行の見直しに際しては、社会的な合意を得ながら進めることが大切である。

すべての人の人権が尊重され、その個性と能力を十分に発揮することができ、かつ、すべての人が共に責任を担う男女共同参画社会の実現は、国の男女共同参画社会基本法においても21世紀の我が国社会を決定する最重要課題とされている。

本市においても、男女共同参画社会づくりの推進を重要課題の一つとして位置付け、市民、事業者及び教育に携わる者等と協働して、男女共同参画社会を実現するために、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画社会の形成の促進に当たって、基本理念を定め、市並びに市民、事業者及び教育に携わる者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画社会 すべての人の人権が尊重され、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もってすべての人が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住する者、市内において就業又は就学する者及び市内に活動拠点を置く市民団体等に所属する者をいう。

(4) 事業者 市内において事業活動を行う個人、法人その他の団体をいう。

(5) 教育に携わる者 学校、地域、家庭その他のあらゆる分野において教育活動を行う者をいう。

(すべての人の人権の尊重)

第3条 男女共同参画社会の形成は、すべての人が、個人としての尊厳を重んぜられること、性別等による差別的取扱いを受けないこと、個人として能力を発揮する機会が確保されることなど、すべての人の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

(社会通念又は慣行についての配慮)

第4条 男女共同参画社会の形成に当たっては、性別による固定的な役割分担等を反映した社会通念又は慣行が、すべての人の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないように配慮されなければならない。

(政策等の立案及び決定等への参画)

第5条 男女共同参画社会の形成は、すべての市民が、社会の対等な構成員として、市における政策又は事業者における方針の立案、決定等に参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

(多様な活動へ携わる機会の確保)

第6条 男女共同参画社会の形成に当たっては、すべての人が多様な活動に携わることが出来る機会を確保するため、性別による固定的な役割分担等を反映して、職域、地域、家庭その他の分野における活動の主要な責任が、性別により偏ることがないように配慮されなければならない。

(生涯にわたる女性の健康への配慮)

第7条 男女共同参画社会の形成に当たっては、すべての人が、それぞれの性にかかわる身体的特徴についての理解を深め、法令に定める場合を除くほか、妊娠、出産その他の事項について自らの意思が基本的に尊重された上で、生涯にわたり健康で健全な生活を営むことができるように配慮されなければならない。

(教育における配慮)

第8条 男女共同参画社会の形成は、学校、地域、家庭その他のあらゆる分野の教育において、その促進に配慮されること、すべての人に生涯にわたる男女共同参画社会に関する教育及び学習の機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

(国際理解及び国際協力)

第9条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組みと密接な関係を有していること及び本市における国際化の進展を考慮し、男女共同参画社会の形成は、国際理解及び国際協力の下に行われるよう配慮されなければならない。

(市の責務)

第10条 市は、第3条から前条までに規定する男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を主要な政策と位置付けて総合的に定め、及び実施しなければならない。

2 市は、男女共同参画社会の形成の促進に当たっては、市民、事業者、教育に携わる者及び市民団体等(以下「市民等」という。)、国並びに他の地方公共団体と連携を図るよう努めなければならない。

3 市は、公衆に表示する情報において、男女共同参画社会の形成の促進を阻害するおそれのある表現を行わないようにしなければならない。

4 市は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表するものとする。

(市民の責務)

第11条 市民は、男女共同参画社会への理解を深めるとともに、職域、学校、地域、家庭その他のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない。

2 市民は、市が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第12条 事業者は、男女共同参画社会への理解を深めるとともに、その事業活動において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない。

2 事業者は、市が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

3 事業者は、その雇用する者について、性別等による差別的取扱いを行わず、雇用上の均等な機会及び待遇を確保するよう努めなければならない。

4 事業者は、その雇用する者の職業活動と家庭活動その他の活動とが両立できるよう配慮しなければならない。

(教育に携わる者の責務)

第13条 教育に携わる者は、男女共同参画社会への理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に配慮した教育を行うよう努めなければならない。

2 教育に携わる者は、市が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(性別等による権利侵害の禁止)

第14条 何人も、職域、学校、地域、家庭その他のあらゆる分野において、性別等による差別的取扱いをしてはならない。

2 何人も、職域、学校、地域、家庭その他のあらゆる分野において、他の者の意に反する性的な言動により、その者に不利益を与えたり、就業、教育、生活その他の環境を害したりしてはならない。

3 何人も、配偶者その他の親密な関係にある者に対して、身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為をしてはならない。

第2章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策

(基本計画)

第15条 市長は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。

2 市長は、基本計画を定めるに当たっては、第24条に規定する都城市男女共同参画社会づくり審議会に諮問しなければならない。

3 市長は、基本計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。

4 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(施策を定めるに当たっての配慮等)

第16条 市は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を定め、及び実施するに当たっては、この条例に規定する基本理念等に配慮しなければならない。

(情報収集及び調査研究)

第17条 市は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を定めるに当たって必要な情報の収集及び調査研究を行うものとする。

(政策の立案及び決定への参画の促進)

第18条 市は、市における政策の立案及び決定へのすべての市民の参画を促進するため、積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市は、審議会等における委員を委嘱する場合においては、その委員の男女のいずれか一方が、委員総数の10分の4未満とならないよう努めるものとする。

(市民等への支援)

第19条 市は、市民等が男女共同参画社会の形成の促進に関して行う活動の支援に努めるものとする。

(市民等の理解を深めるための措置)

第20条 市は、男女共同参画社会に関する市民等の理解を深めるため、広報活動等を行うものとする。

(事業者への協力及び是正の依頼)

第21条 市長は、必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画社会の形成の促進に関する広報及び調査について、協力を求めることができる。

2 市長は、必要があると認めるときは、市の出資する法人及び補助金、交付金、貸付金等の財政支援を行う事業者に対し、男女共同参画社会の形成の促進への取組みに関して報告を求め、適切な措置を講ずるよう求めることができる。

(農林水産業及び商工業の分野における環境の整備)

第22条 市は、本市の男女共同参画社会の形成の促進において、農林水産業及び商工業の分野の重要性を考慮し、国、県その他の関係機関と連携して、当該分野において基本理念が早急に実現できるよう努めるものとする。

(相談及び苦情の処理等)

第23条 市は、この条例に規定する事項について、市民からの相談に応じるとともに、必要に応じて国、県その他の関係機関及び関係団体と連携を図るものとする。

2 市は、市が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策等についての苦情の処理のために必要な措置及び性別等による差別的取扱いなどの男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合において、被害者の救済を図るために必要な措置を講ずるものとする。

第3章 都城市男女共同参画社会づくり審議会

(設置等)

第24条 市は、男女共同参画社会の形成の促進に関する重要な事項を調査審議するため、都城市男女共同参画社会づくり審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事務を行う。

(1) 市長の諮問に応じて、基本計画の策定及び改定等、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策その他の重要事項を調査審議し、市長に答申すること。

(2) 必要に応じ、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策及び重要事項について、調査審議し、市長に意見を述べること。

3 前項各号に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し、必要な事項は、規則で定める。

第4章 雑則

(委任)

第25条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成18年10月1日から施行する。

都城市男女共同参画社会づくり条例

平成18年9月22日 条例第342号

(平成18年10月1日施行)

体系情報
第3類 行政通則/第1章 組織・処務
沿革情報
平成18年9月22日 条例第342号