○都城市河川をきれいにする条例
平成18年1月1日
条例第163号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 河川の汚濁の防止(第7条―第13条)
第3章 水質検査(第14条)
第4章 河川浄化対策等推進本部等(第15条・第16条)
第5章 雑則(第17条―第22条)
附則
深山に端を発し、日向灘に注ぐ、自然の創造した最高の恵みである清く豊かな「母なる大淀川」をはじめとして、河川は、私たちのかけがえのない郷土の文化、産業、経済のあらゆる礎となって歴史をはぐくんできた。
しかしながら、近年における科学技術の進歩は、産業経済の進展をもたらした反面、幾多のひずみを招来し、私たちの生活環境を破壊するに至った。とりわけ、河川環境の悪化は、河川本来の機能である自浄作用までも低下させ、このまま放置すれば将来に大きな悔恨を残しかねない。
私たち都城市民は、失いかけている水を大切にする心と川を愛する心を喚起するとともに、市民ひとりひとりの財産である「母なる大淀川」をはじめとする河川を清流に戻し、次代に引き継ぐことが、私たちの責務であることを強く認識しなければならない。
ここに、市民の英知と総力を結集して、「母なる大淀川」をはじめとする河川を清流に戻すことを宣言し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、河川が市民の生活、文化、産業及び経済において果たすべき重要な役割にかんがみ、市、市民及び事業者が河川の浄化及び河川の愛護の推進に努め、もって美しく豊かな河川環境の形成を図ることを目的とする。
(1) 河川 河川法(昭和39年法律第167号)第3条の河川又は同法第100条の河川及びこれらに接続する湖沼、公共溝きょ、かんがい用水路その他公共の用に供される水路(下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第3号の公共下水道で同法第6条の終末処理場を設置しているもの及び都城市農業集落排水施設条例(平成18年条例第171号)により設置された農業集落排水施設を除く。)をいう。
(2) 生活排水 炊事、洗濯、入浴等の市民の生活に伴い排出される水をいう。
(3) 事業排水 事業活動に伴い排出される水をいう。
(4) 浄化装置等 排出水の浄化に有効な装置及び器具をいう。
(市の責務)
第3条 市は、第1条の目的を達成するため、総合的な施策を策定し、その実施に努めなくてはならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、第1条の目的の達成に寄与するように努めるとともに、市が実施する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、第1条の目的の達成に寄与するために必要な措置を講ずるとともに、市が実施する施策に協力しなければならない。
(相互協力)
第6条 市、市民及び事業者は、第1条の目的を達成するため、相互に協力し、連携しなければならない。
第2章 河川の汚濁の防止
(生活排水による汚濁の防止施策の推進)
第7条 市は、生活排水による河川の汚濁の防止に必要な施策を計画的に推進するものとする。
(生活排水の処理等)
第8条 市民は、生活排水を河川に排出しようとするときは、浄化装置等を設置して排出するように努めなければならない。
2 市民は、浄化装置等が常に有効に機能するように、点検及び管理を行わなければならない。
(事業排水の処理)
第9条 事業者は、事業排水を河川に排出しようとするときは法令に定められた基準によるよりも河川の汚濁の低減に資する設備により処理した上で排出するように努めるとともに、可能な限り再生等の方法により当該事業所排水を河川に排出しないように努めるものとする。
(河川の浄化の義務)
第10条 何人も、ごみの投棄等を禁止する法令を遵守し、河川の浄化に努めなければならない。
(調理くず等の適正処理等)
第11条 何人も、調理くず、食用廃油等を適正に処理し、並びに無リン洗剤及び石けんを適正に使用することにより、河川の汚濁の防止に努めなければならない。
(肥料又は農薬の適正使用)
第12条 何人も、肥料又は農薬を使用するときは、これらを適正に使用し、河川の汚濁の防止に努めなければならない。
(家畜等のふん尿の適正処理)
第13条 家畜等の動物を飼育するものは、動物のふん尿が河川に流出しないように、処理施設の設置、完熟肥料による土壌への還元等の方法により、動物のふん尿の適正な処理に努めなくてはならない。
第3章 水質検査
(水質検査)
第14条 市は、河川の水質検査を定期的に実施し、その結果を市民に公表するものとする。
2 市は、前項の検査結果に異常が認められたときは、必要な措置を講ずるとともに、速やかに関係行政機関に連絡して、適当な措置を講ずべきことを要請するものとする。
第4章 河川浄化対策等推進本部等
(河川浄化対策等推進本部の設置)
第15条 市に、第1条の目的を達成するため、河川浄化対策等推進本部を置く。
(河川浄化等推進員の設置)
第16条 市は、第1条の目的の達成に当たらせるため、河川浄化等推進員を置くことができる。
2 河川浄化等推進員は、都城市環境保全条例(平成18年条例第169号)第12条に定める環境監視員の地域監視員をもって充てる。
第5章 雑則
(関係機関等との連携等)
第17条 市は、第1条の目的を達成するため、関係地方公共団体と連携して必要な施策を講ずるほか、必要に応じて関係行政機関に協力の要請をするものとする。
(啓発活動)
第18条 市は、あらゆる機会を通じて、河川に関する知識の普及及び意識の高揚を図るため、啓発に努めるものとする。
2 市は、前項の啓発を効果的に行うため、毎年、河川愛護月間を設けるものとする。
(助言又は指導)
第20条 市は、事業者が行う河川の汚濁防止のための施設の整備について、助言又は指導を行うことができる。
(他の条例との調整)
第21条 この条例の規定が他の条例の規定と重複する場合においては、他の条例の規定を優先して適用するものとする。
(委任)
第22条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年1月1日から施行する。